こんにちは、アンデです。
今回は小林義崇さん著書「すみません、金利ってなんですか?」を解説していきます。
大人なのに、何も分からない…
金利、年末調整、源泉徴収、投資、日経平均株価、保険、共済?
どう言う意味なんだろう?
そんな世の中の、基本的なことは
この本で全て解決できるよ!
社会人6年目・28歳会社員の梅田さんは、「お金のことが全く分からないまま大人になってしまった」といいます。梅田さんは勉強もしっかりしてきたため、成績は上位の方で、国立大学に進学をしました。
しかし、お金の知識だけは全く勉強しないまま大人になってしまいました。
毎日ニュースでは「日経平均株価は…」とか言ってるし、金利とか株とかもいつかわかるんだろうと思っていたところ、結局わからないまま大人になってしまったといいます。
そんなある日、大学時代の友人との飲み会で、金融系に就職した友人たちが「金利」「定期預金」「株」などの話題が出て、自分だけがついていけなかった事から、ダメージを受けました。
毎年の年末調整は訳もわからず、ハンコを押し続けていましたが、ついに生まれたばかりの息子の名前を、訳の分からない「年末調整」の書類に記入しなければいけないときが来ました。
「このままではまずい」と思い、今まで放置してきたお金のことと真剣に向き合おうと決めたそうです。
そして、元国税局の小林義崇さんと出会い、「史上最高にハードルが低いお金問答」を行い、この本が完成したそうです。
よくわかりますね。
お金のことは学校ではあまり教えてくれないし、
社会人になっても、誰も教えてくれない…
この本は梅田さんが、元国税局の小林さんに質問をして、それに丁寧に答えてくれるという会話形式の本なので、とてもわかりやすいです。
梅田さんの最初の質問は「金利っていいんですか?悪いんですか?」で始まります。初心者向けの、超基本的なことを質問してくれます。まさに初心者向けですね。
今回は、誰もが気になるであろう部分のみを厳選し、解説していきます。
金利って何ですか?
金利には「短期」「長期」の2種類があります。普通預金や1年未満の定期預金は「短期金利」、ローンや1年以上の定期預金などは「長期金利」に連動します。
短期金利
・金利っていいんですか?悪いんですか?
金利が良いか悪いかは、立場によって変わります。借りる方は金利が低い方がいい・貸す方は金利が高い方がいいです。銀行預金は「銀行にお金を貸している」と考えましょう。
現在の銀行預金の金利は0.001%、定期預金は一定期間引き出せない代わりに、ちょっと良い金利がつきます。
・なぜ銀行は預金に金利をつけるのか?
銀行はお金を集めたいからです。
集めたお金で、株や土地を買ったり、企業に貸して利息をもらったりします。これを資金を運用といい、その差額で利益を出すことが銀行のビジネスモデルです。
・金利は「日銀」次第で決まる
銀行の金利は大体横並びになります。この理由はお金の流れを見るとわかります。
お金の流れはシンプルで、一番上流に日銀(日本銀行)がきます。「日銀は銀行にお金貸し出す銀行です」
日銀は「金融政策決定会合」で市場の金利を調節する方針を決定し、「公開市場操作」によって市場に出回るお金の量をコントロールします。
公開市場操作とは日銀が各銀行に供給するお金の量をコントロールすることです。
・市場にお金が増える → 企業や個人の収入が増える → 高い金利でローンを組む必要がなくなる → 銀行はローンを組む人を増やすために金利を下げる
・市場のお金が減る → お金が足りないから金利が高くてもローンを組む人が増える → 金利は高くなる
この理由から、市場のお金が増えれば金利は下がり、逆に市場のお金が減れば金利は高くなります。
長期金利
長期金利とは市場で売買されている「10年ものの国債」の金利がベースとなっています。10年後に満期が来て現金化できるタイプの国債です。
国債の金利は景気の動向によって変化します。長期金利はこの国債の金利に合わせて動いくことになります。
銀行業界の長期金利も短期金利も、大体横並びに落ち着きます。
「単利」か「複利」か
金利がつくことにも「単利」「複利」の2種類があります。
単利…元金に毎年同額の金利がつく
複利…元金と金利の合計に、毎年さらに金利がつく
預金に1%の金利がつくと仮定した場合
預金額 | 1年後 | 2年後 | 3年後 | |
単利 | 100万円 | 101万円 | 102万円 | 103万円 |
複利 | 100万円 | 101万円 | 102万100円 | 103万301円 |
つまり、複利では「雪だるま式」に金利が増えていくことになるのでお得です。
借金をする側になった場合、複利では返す額が増えていくので要注意です。
金利の契約は「固定」か「変動」か
金利の契約時には「固定金利」、「変動金利」があります。ローンを組むときに選ぶことになります。
固定金利…ずっと同じ金利
変動金利…経済状況に連動して変わる
固定金利でも固定年数を決めることができます。例えば「10年固定」にすれば、ローンを組んで最初の10年は固定金利で、あとの返済期間は変動金利となります。
固定金利の場合、変動金利より高く設定されています。みずほ銀行の金利を例に見てみましょう。
変動金利 | 2.475% |
固定2年 | 2.6% |
固定20年 | 3.25% |
全期間固定31〜35年 | 1.54% |
変動金利の予測は一種の博打です。30年後の金利がわかる人などいませんが、景気の悪化で金利は下がると言うことは理解しておきましょう。
不景気の時は、経済を活性化させるために市場にお金を回します。お金を借りたい人が借りやすくなるように、日銀が金利を下げます。すると、連動して銀行の預金金利・貸出金利が共に下がります。
逆に景気が良くなれば銀行の預金金利・貸出金利が共に上がります。
源泉徴収って何が徴収されてるんですか?
会社員として働いていて、毎年見聞きするけどいまいちよく分からない言葉、「源泉徴収」「年末調整」などありますね。社会人として、知っておいた方がいい言葉です。
源泉徴収とは
源泉徴収とは会社などの組織が、税務署の代わりに、従業員にかかる税金を毎月あらかじめ引いておくというものです。
従業員には毎月会社から給料が支払われます。そこには従業員個人が支払うべき「所得税」が発生します。
会社員が個人で毎月税金を納税するとなると、大変な手間と時間がかかります。そこで総務や経理などの担当者が代わりに税金を納めてくれています。
会社員が毎月払うべきもの
引かれる社会保険料
・健康保険
医療費の負担を減らすことを目的として作られた制度。
・介護保険
介護を必要とする人に給付される制度。
・厚生年金
高齢者の生活を補償するための保険制度。「払った分、将来もらえる」イメージ。
・雇用保険
失業した人が一時的に給付を受けることができる制度。
引かれる税金
・所得税
給与所得額に対して課される税金。毎年1月1日〜12月31日までの課税所得に対して求められる。ただし、課税所得額により、税率は変動する。(5%〜45%の7段階)
・住民税
前年度の課税所得額によって、5月までに住民税額が決定される。そのため、社会人2年目の6月分から都道府県民税と市町村民税の合計として、住民税が天引き開始される。納め先は、国ではなく住んでいる地方自治体となる。
年末調整って何を調整するんですか?
源泉徴収で毎月差し引かれる所得税額と、実際の所得税額にはギャップがあります。
そこで、1年に1度、年末調整で税額の再計算をするルールになっています。
さらに、年末調整でその年の「課税所得額」を確定させることによって、翌年6月以降に天引きされる住民税が決まります。
株や投資についての話
「株」「投資」ってなんですか?
「株」「投資」について、ニュースでよく聞く難しい単語がたくさんあります。ほとんどは学校でも教えてくれません。何も分からない梅田さんが、初心者に代わってたくさんの質問してくれました。それぞれ解説していきます。
・キャピタルゲイン…株の売買で得られる利益のことです。買った時より、売ったときの方が株価(1株の価値)が高ければその差額が利益となります。逆に買った時より、売ったときの値段が安ければ損失となります。
・インカムゲイン…持っているだけで得られる利益のことを言います。「配当金」や「株主優待」を指します。配当金は企業が稼いで利益を上げたら、株主に還元するお金のことです。株主優待とは株主に感謝の気持ちとして、自社のサービスや製品を提供することです。
・株式会社が株を発行する理由…お金を集めたいからです。お金が集まれば事業を拡大したり、儲けるための施策が打てます。
会社にお金をだして株を買った人を「株主」というよ!
株を買うと言うことは「会社の様々な権利を買えること」だよ!
・株価が上下する理由…業績を伸ばしている企業の株は、持っていれば値上がりしたり、配当金がもらえたりするのでみんなが欲しがります。1株300円で上場した株を「310円で買いたい」「400円で買いたい」という人が現れると、株価はオークションのように上がっていきます。需給によって値段は変動します。
アマゾンの株価は2001年に5.5ドルだったのが、
2019年12月末には1869ドルになっているよ!
2001年にアマゾンの株を買っていた人は、
数百倍ものキャピタルゲインが得られたんだね!
・日経平均株価…東証1部という株式市場に登録されている銘柄のうち、日本を代表する225社の株価の平均です。日経平均株価を追えば日本の株価の全体間をつかめる指標です。
・NYダウ…「NYダウ」「ダウ平均」と呼ばれます。ニューヨーク証券取引所やナスダックといった米国市場に上場する国際的な優良銘柄30社の株価の平均値です。ダウが元となって日経平均株価がつくられました。
・トピックス(TOPIX)…東証1部に上場する全銘柄を反映させた独自の計算式で算出される値です。日本の株式市場全体的な成長度がつかめる数値です。
日経平均株価やTOPIXが上がっていれば、
「景気が上がっていく」という予想がつくね!
・株を売買するには…「証券会社」に口座を作る必要があります。証券会社は株の取引を仲介してくれる会社です。注文を受けたら証券取引所に伝える業務を請け負っています。ちなみに日本最大の証券取引所は「東証」(東京証券取引所)です。
・上場すること…市場で株の売買ができるのは上場している企業だけです。東証は1部と2部に分かれていて、1部には時価総額の大きい会社が集まっています。上場していない会社の株を取引したければ直接交渉をする必要があります。
・為替…日本円の価値のことです。円の価値が高くなれば円高、円の価値が安くなれば円安といいます。外国と取引をする際、「どの通貨で金銭のやり取りをするか」を決めて、「外国為替市場」にて、通貨を交換します。
日本からアメリカに輸出している企業なら、
100ドル分の商品を売っても、
1ドル130円なら13,000円の売り上げ、
1ドル100円なら10,000円の売り上げになるよ!
・投資信託…「投資を信じて託すこと」自分で投資する代わりに、投資の専門家であるファンドマネージャーに、株など複数の商品の投資・運用をお願いすることです。
世界の様々の投資の対象に、少額から投資できるメリットもあります。プロに運用してもらうので、手数料がかかります。
投資信託のことを「ファンド」とも言うよ!
・インデックスファンド、アクティブファンド…投資信託にはインデックスファンドとアクティブファンドの2種類があります。プロが自分の知識や経験に基づいて運用する「アクティブファンド」、そして日経平均株価などの指数に合わせて運用する「インデックスファンド」があります。
・インデックスファンドの特徴…「信託報酬」と言う手数料が安いです。「分散の効果」が働いていて、投資のパフォーマンスもインデックスファンドの方がいいことが多いです。
「日経平均株価に連動するファンド」や「アメリカの株価指数に連動するファンド」など、どの会社に投資するか選ぶより、どの国に投資するかを選ぶ方が簡単です。
・国債とは…日本の政府が発行し、金利を支払う信用度の高い債券です。国にお金を貸すことで、いずれ金利がついて返ってきます。
国債は国に投資をする感覚で、元本が保証されているので、
「利息がちょっと高めの定期預金に預ける」
「リスクの小さな投資をする」
というイメージだね!
・一般NISAとは…一般NISAは「少額投資非課税制度」で、年間120万円の投資額まで最長5年間まで、値上がり益や配当金の税金をゼロにするというお得な制度です。幅広く自由に商品を選んで投資したいなら一般NISAです。
・積立NISAとは…一般NISAと同じく「少額投資非課税制度」で、年間40万円の投資額まで、20年間値上がり益や配当金の税金をゼロにするというお得な制度です。金融庁が「長期的な資産形成に向く」と認めた投資信託で、ローリスクで着実に資産形成したいなら積立NISAです。
日本人はお金を貯め込む意識が強いから、
資金を市場に呼び込んで活性化させたい狙いから、
2003年に小泉純一郎氏が「貯蓄から投資へ」というスローガンを掲げて、
多くの人が投資に取り組むことを推奨しているよ!
まとめ
今回は、世界一基本的なお金の本「すみません、金利ってなんですか?」を、一部厳選して解説しました。
・金利について
・源泉徴収について
・株、投資について
大人になっても分からないこと、気になるけど人には聞けない事がたくさんあると思います。
他にも、今回触れてこなかった知識が、この本では分かりやすく解説されています。
税金、控除、確定申告、銀行の種類や仕組み、保険、年金など、生きていく上で知っておけば得できることも書いてあります。
時間が経てば分かるようになるんじゃないか?
と思っていることは、結局誰も教えてくれないから、
この本を読んで解決しよう!
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