【筋トレの新常識②】トレーニング前のストレッチ、トレーニング後のクールダウンはしてはいけない?

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筋トレ、ダイエット

こんにちは、アンデです。

筋トレに励んでいるみなさん、トレーニング前は念入りにストレッチはしていませんか?

実はトレーニング前のストレッチは筋トレの効果を下げます。

また、トレーニング後のストレッチも筋トレ効果を下げます。

え、トレーニング前にストレッチをしないと

怪我するんじゃないの?

トレーニング後も

疲労を溜めないように

ストレッチで伸ばしてたけど…

ストレッチはしない方がいいなんて聞くと、驚く人も多いのではないでしょうか?

今まで行ってきた筋トレの常識は、間違っている可能性があります。最新の研究で科学的根拠(エビデンス)によって新しい常識がどんどん解明されてきています。

今回は庵野拓将さん著書「科学的に正しい筋トレ」で解説されている、トレーニング前のウォーミングアップとトレーニング後のクールダウンについての新常識を解説していきます。

【筋トレの新常識①】そのトレーニング間違ってる?効率良く筋肥大させる強度・重量・回数

【筋トレの新常識③】筋トレ後の栄養補給、間違っているかも?正しいタンパク質摂取を解説

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睡眠不足は筋トレの効果を下げる

2012年に睡眠時間と筋トレの効果についての研究が行われました。

①睡眠時間8時間以上のグループ
②睡眠時間6時間未満のグループ
ベンチプレス、スクワット、ベントオーバーなどのトレーニングを疲労困憊になるまでを4セットやった結果、
①のグループに比べて、②の睡眠不足のグループは総負荷量が低下しました。

これにより、睡眠不足はトレーニング効果を減少させることがわかりました。

筋トレのような無酸素運動では、筋グリコーゲンのみがエネルギー源となります。筋グリコーゲンは筋肉に蓄えられる糖の一つで、糖を体に取り込む役割がインスリンです。
睡眠不足はインスリンの機能を低下させてしまいます。(インスリン抵抗性)

睡眠不足 → インスリン抵抗性増加 → 筋グリコーゲン減少 → 筋トレの総負荷量減少 →筋トレ効果低下


また、睡眠不足は精神面にも影響を与え、モチベーションや集中力を低下させ、気分の悪い状態を作り出し(イライラ)、過剰な重量や回数によるオーバートレーニングを引き起こす危険性が示唆されました。

筋トレするなら、

8時間以上の睡眠をとって効果を最大化させよう!


筋トレ前にストレッチをしてはいけない

ストレッチには「スタティック(静的)・ストレッチ」と「ダイナミック(動的)・ストレッチ」の2種類あります。

トレーニング前のストレッチについて、何をすればいいのか悩んでいる人もいるのではないでしょうか?

そこで筋トレ前の「スタティック(静的)・ストレッチ」について、ストレッチ無しのグループと、ストレッチ有りのグループで研究が行われました。

研究① レッグカールをMAXの60%で疲労困憊まで行なった結果、筋トレ前のストレッチを行ったグループは運動回数が24%減少

②MAXの80%のレッグプレスを疲労困憊になるまでを8セット行った結果、ストレッチを行ったグループの運動回数が18%減少、総負荷量は24%減少

③MAXの60%のレッグエクステンションを疲労困憊になるまで4セット、週2回、10週間継続した結果、筋肥大を確認したところ、ストレッチ無しグループは12.7%、ストレッチをしたグループは7.2%の増加にとどまった

これにより、運動前のストレッチは運動回数、総負荷量、筋肥大を減少させることがわかりました。

運動前にストレッチが習慣だったから、

やらないと気持ち悪いよ…

そんな人は、各部位30秒以内のストレッチなら、

トレーニング効果への影響を減らせるから、大丈夫!

トレーニング前には「ダイナミック(動的)・ストレッチ」を行いましょう。どうしても「スタティック(静的)・ストレッチ」を行いたい場合は、短時間に留めて行うのであればで、筋トレ効果は下がらないとわかりました。

やらないと気持ち悪いと思うようであれば、短時間で行いましょう。

最強のウォームアップ

運動前のストレッチは運動回数、総負荷量、筋肥大を減少させることがわかりました。では、どのようなウォームアップを行えばいいのでしょうか?

・有酸素運動

最新の研究によって、ジョギングやペダリングといった有酸素運動を、最大心拍数の60%の負荷で10〜20分行うことが推奨されています。

有酸素運動を10分行うと筋肉の温度が2〜3度上昇し、最大等速性筋力が上がり、筋力が上がることが示唆されました。

・特異的ウォームアップ

さらに重要なのがトレーニングの前に「同じ運動」を軽い強度で行う「特異的ウォームアップ」です。「神経・筋活動の活性化」により、トレーニングの運動回数と運動強度を高めます。

MAXの30%程度の低強度から行い、段階的に目標のトレーニング強度に近づけていきましょう。

有酸素運動にプラスして「特異的ウォームアップ」を行うことで、さらにトレーニングの効果が上がります。

トレーニング効果
有酸素運動+特異的ウォームアップ > 特異的ウォームアップ > 動的ストレッチ > 静的ストレッチ

筋トレ後のクールダウンは意味がない

これまで、トレーニング後にジョギングやウォーキングなどの「アクティブ・クールダウン」、ストレッチやマッサージなどの「パッシブ・クールダウン」が推奨されてきました。

2018年、これまで様々な効果があると言われてきた「アクティブ・クールダウン」の常識がことごとく否定されています。


・疲労が取れるわけではない

これまで、トレーニング後は乳酸を除去することが、早期の疲労回復につながると言われてきました。
しかし近年では、疲労は乳酸から生じるのではなく、水素イオンの蓄積によって筋肉が酸性(アシドーシス)になることが要因とされています。

アクティブ・クールダウンによる、運動から80分後、アシドーシスを低下させる効果は認められませんでした。

すなわち、アクティブ・ク1ールダウンによる乳酸の除去は期待できますが、「筋肉の酸化を防いで疲労回復ができる」というエビデンスは存在しません。


・筋肉痛は減少しない

長年、アクティブ・クールダウンには、筋肉痛や筋損傷マーカーの減少効果があるということが常識でした。これは筋肉や皮膚への血流増加によって、乳酸や筋肉痛の因子の蓄積を減少させ、筋肉の修復を加速すると考えられてきたためです。

しかし、多くの研究でその説は否定され続け、2018年に発表されたメタアナリシスで、アクティブ・クールダウンによる筋肉痛の痛みや筋損傷マーカーを減少させるエビデンスは示されませんでした。


・体は柔らかくならない

トレーニング後は、筋肉の損傷により筋肉の硬さが生じ、関節の可動域が狭まります。アクティブ・クールダウンは筋肉の硬さを改善し、関節の可動域を広げると言われていました。

筋肉の柔軟性を検証した結果が7つありますが、アクティブ・クールダウンによる筋肉の硬さ、関節の可動域への効果が、7つの検証全てで否定されています。


・筋力を回復する「筋グリコーゲン」は合成できない

高強度トレーニングは、筋肉のグリコーゲン貯蔵を枯渇させる可能性があり、トレーニング後24時間までの筋力を損なうことが示唆されています。

これまでアクティブ・クールダウンが、早期の筋グリコーゲン再合成で、筋肉の回復に有効だと考えられてきましたが、

多くの研究で効果が否定されています。

パッシブ(静的)・クールダウンでは筋グリコーゲンが回復したのに対し、アクティブ・クールダウンでは筋グリコーゲンの合成を妨げる可能性が示唆されています。


・心理的ストレスや睡眠量は回復しない

トレーニングによって、心理的ストレスの増加や、睡眠量の低下が示唆されていますが、アクティブ・クールダウンでは心理面の回復効果があるとされてきましたが、

多くの研究結果からポジティブな報告はなく、

逆にトレーニング経験が少ない場合、アクティブ・クールダウンによって心理的ストレスを増大させる可能性が示唆されています。


ここまでをまとめると、「アクティブ・クールダウンによる効果は、乳酸の除去効果は期待できるが、それ以外の生理学的効果においては現在のところ有効性はない」と結論が出ています。

トレーニング後にジョギングやエアロバイクはやらない方がいいんだね。

でも習慣でやらないとおかしくなりそう…

しかし、プラセボ効果は否定できないので、個人にあったアクティブ・クールダウンは否定しないとしています。

アクティブ・クールダウンを行う際は低〜中強度で、30分以内にとどめるようにしましょう。

まとめ

今回はトレーニング前のウォーミングアップ方法と、トレーニング後のクールダウンについて、科学的根拠に基づく新常識を解説してきました。

トレーニング前の、スタティック(静的)ストレッチはトレーニング効果を減少させるのでやめましょう。
そのかわり、有酸素運動+特異的ウォームアップ(同じ運動を軽い強度で行う)を行うことで、トレーニング効果を上げることがわかりました。


トレーニング後にはアクティブ・クールダウン(ジョギングやウォーキングなど)を行うことで、期待されていた様々な効果が否定されきました。それどころか、ネガティブな結果が出ているものが多いので、アクティブ・クールダウンはやめましょう。

今回も筋トレの新常識として「科学的に正しい筋トレ」に基づいて解説してきました。

みなさんのトレーニングが良いものになれば幸いです。

科学的に正しい筋トレ 最強の教科書

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